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レストレスレッグス症候群とパーキンソン病の関り(睡眠学会)

『Neurosomnoloy-睡眠・覚醒からみた脳神経疾患』というシンポジウムで発表しました。

レストレスレッグス症候群(RLS)の2割は二次性ですが、その中にパーキンソン病(PD)があります。レストレスレッグス症候群の特徴としてドパミン作動性の機能低下や鉄代謝とドパミン関連等の特徴はRLSとPDの類似性を想定できます。PDにおけるRLS有病率は人種差なく、14%程度あります。鉄との関連はMRIでRLSは鉄欠乏の指摘がありますが、PD合併RLSでの血清フェリチンは一定の結果が得られていません。また、中脳黒質エコーでの検討ではPDでは高信号、RLSでは低信号と逆の結果になっています。RLSの病態は脊髄と想定されていますが、ドパミントランスポーター(DAT)の検討ではPDのようにRLSでは低下なく、経過してもRLS合併例では高めになっております。やはりPD合併RLSにおいても脊髄病変が想定されます。PDの脊髄病理はPD発症前後に障害されるようです。以前PD患者さんで検討した時にはPD発症後にRLSを発症していましたが、RLS有無でフォローした検討ではPDの発症率が2.57倍高かったという報告もあります。PD合併RLSと特発性RLSが異なった機序で発症すると考えた場合に長期の薬剤の影響、PDのwearing offとの関連が考えらています。種々の病態仮説を考える中で、ドパミン系関連、長期間のPD治療、PD関連の感覚障害変動といったものの可能性が強いかと考えられるかもしれません。現状ではドパミン製剤を適切に使用することが重要と言えるかもしれません。

愛媛大学岡靖哲先生よりアルツハイマー病は病理変化で睡眠障害を呈しやすいこと提示してもらい、薬剤の問題はどうなのかという話を教えていただきました。

獨協医科大学鈴木圭輔先生より片頭痛の機序で眠気が起こることを示してもらいました。オレキシンに鎮痛効果がありえるらしく、ナルコレプシーと片頭痛の関連はありえるようです。

獨協医科大学宮本雅之先生より起床時発症脳梗塞に睡眠時無呼吸症候群の関連が疑われ、CPAPの有効性も示してもらいました。CPAPで注意力もアップするようです。

東北大学神一敬先生より覚醒時に多い若年性ミオクローヌス発作、夜間睡眠中に起こる前頭葉てんかん等注意をようするてんかんを提示してもらいました。

獨協医科大学宮本智之先生よりRBDでのDAT検査データーと検討の仕方を教えてもらいました。

睡眠疾患は精神科のイメージがある中で、Neurosomnologyとして対応することの重要性を示せたと思います。聴衆も多く、ビックリしました。ついでに野村小児神経クリニックの野村芳子先生からの質問は難しかったですが、勉強になりました。