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Dural nature of REM sleep behavior disorder(第60回日本神経学会)

火曜日診療後に大阪に向かいます。夜のやくもで向かうと駅弁がありません。これは乗り鉄としては悲しい。夜遅く会場のリーガロイヤルホテルに到着です。ここで課題が課されます。メールで明日のホットトピックス発表前に皆で打ち合わせをしようとのことです。これで大阪ジョギングはあきらめ、気持ちを引き締めて関西電力病院へ。綺麗な病院で、しばらく待っていると立花先生と共にC.Schenck、KY.Jung先生が来られました。挨拶をして打ち合わせ室へ。C.Schenck先生からはRBD初発表例を詳しく教えていいただきました。ビデオも多数出され、その中で女性は軽い例が多く、最近のPSGで確定したRBD疫学では男女差がなく、女性が軽症例が多いことを紹介してもらいました。その後の流れで神経変性への予防の中、スクリーニングが大事で、今後進めていくべき提案がありました。最後に2011年の琵琶湖ホテルのInternational RBD symposiumが楽しかったと言われました。確かに、あの時は比叡山観光して、屋形船に乗って、カラオケをしてと楽しかったです。C.Schenckと同席で来ただけで私も嬉しかった。スライドを提示しながら、お互いに話しながらのいわゆる座談会のような発表です。

次は私の番ですが、原稿を読むわけにもいかず、即興の英語で話をしました。普段の英語発表より難しい。質問もうまく対応できず、オタオタです。私の発表はパーキンソン病におけるRBDの頻度、特徴、治療について話しをしました。当院でのホームビデオ持ち帰りのPSGは結構反響が良かったです。開業をしたことを話をするとどういう患者さんが来るのか、どんな診療をしているのかを聞かれました。大学病院との違いを説明しておきました。

KY Jung先生はRBDの夢内容と行動化の考察をされました。RBDの病変として脳幹が想定されますが、REM sleep without atonia(RWA)の説明はできますが、暴力的な夢の機序はわかっていません。RBDではβ波パワーの増加があり、これとphasic RWAの関連があるようです。夢と補足運動野、運動前野に関連があり、その部位と脳幹レベル障害の関連で症状が出現しているのではという考察でした。

ここで時間が無くなり、関西電力病院の食堂でご飯を食べてから会場の大阪国際会議場に移動です。本番では、今更ながら原稿を読むか悩みましたが、先ほどの質問も加えて英語で話をしようとしたら、いきなり挨拶でどもってしまいました。文法を無視した英語での講演となりました。聞き苦しくて申し訳ありません。宮本先生からの質問も筋が通っていないような返答になってしまいました。

池田先生からDLBではRBDとapathyの関連があり、視床病変と睡眠障害の関連も示唆されました。

宮本先生は日本人のRBDから神経変性疾患への報告をされた後、Nelotaanserinがトライ中であることを報告してもらいました(質問でSchenck先生が中止になったことを話されていました)。

皆さんの関心はRBD→Lewy body diseaseになるなら、どうように対応するかについてですが、現状で結論はないことです。ただ、確実な診断の上で注意して経過観察をして早急に対応することが現状でできることなので、プライマリーとしてはちゃんとスクリーニングして診断し、説明の上対応することが当院の役目だと再認識しました。

ここからとんぼ返りで結局約24時間で帰ってきました。結構なハードルでしたが、中身が濃かった。