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Evolutionary Insomnia Treatment

不眠症治療に関しての研究会です。ベンゾジアゼピン系薬剤の転倒や健忘、依存が問題になっています。諸外国では処方制限もあり、対応が必要です。睡眠薬は早めに対応し症状が安定したら漸減中止が基本です。その中で、ベンゾジアゼピン系薬剤以外の薬の使用も有効です。食欲関連の神経ホルモンとして発見されたオレキシンが覚醒に関わっていることが分かり、ナルコレプシー等の過眠症への治療に興味を持っていました。不眠に関してはアルツハイマー病患者さんでオレキシンが高く、高いほど、睡眠潜時が長く、睡眠後覚醒時間も長く、レム睡眠時間が短くなり、睡眠効率が悪くなることが報告されています。このコンセプトに従い、オレキシン受容体拮抗薬スボレキサントが発売されています。健常成人のオレキシンと不眠の関係が明らかでないところをみると、よりアルツハイマー病の患者さんには使用を勧められる睡眠薬と言えるのかもしれません。今回もいろいろと勉強になりました。不眠はデーター通りにいかないことが多いのですが、出口を見据えた治療が必要です。