のむらニューロスリープクリニックのむらニューロスリープクリニック

お知らせNews

レストレスレッグス症候群とParkinson病(日本神経治療学会シンポジウム)

いつもお世話になっている獨協医科大学 平田幸一教授が日本神経治療学会を開催されました。睡眠関連のプログラムもあり、平田先生の意向が感じられました。その一つのシンポジウム『睡眠疾患と神経内科領域のcommon disease』で発表の機会をいただきました。テーマは『レストレスレッグス症候群とパーキンソン病』です。レストレスレッグス症候群(RLS)はドパミン機能障害による症状と考えられており、ドパミン神経の変性によるパーキンソン病(PD)ではRLS発症リスクも高くなります。RLSとPDの類似性の評価としてRLSが脳内の鉄欠乏を起こすのに対してPDでは鉄の沈着が起こり、RLSではドパミン神経の変性は起こりません。現時点ではRLSは脊髄に下降性に出力するA11神経の機能障害と考えられています。PDでも脊髄の変性を起こしますが、運動症状の出現後にあたります。このように、PDとRLSの病態については共通する病態(ドパミン、鉄、非ドパミン神経)、共通しない病態(PDの感覚症状の変動、ドパミン薬剤の影響)等議論が分かれており、まだまだ検討が必要です

同席した岡先生よりアルツハイマー病では覚醒、レム睡眠制御部位に神経変性をきたし、睡眠障害とアルツハイマー病の関連の可能性を教えていただきました。

鈴木先生より頭痛と覚醒系の経路に関連があり、過眠症と片頭痛の関連を示唆していただきました。

宮本雅之先生より閉塞性睡眠時無呼吸が脳梗塞のリスクとなり、CPAPの有用性について教えていただきました。アドヒアランスのアップのための、リハビリの報告は関心がありますね。

神先生より睡眠に関連して起こる若年性ミオクローヌスてんかん、夜間前頭葉てんかんの特徴を教えてもらいました。脳波も入眠状態で記録することは重要です。

最後に宮本智之先生よりレム睡眠行動障害(RBD)からPDやレビー小体型認知症等のα-シヌクレイノパチーへの進展について報告をしてもらいました。RBDをキーにα-シヌクイノパチーの診療を行うことは重要と考えているので、興味深く、質問もさせていただきました。

今回は、普段の診療で診ている病気ばかりであり、いろんなことを考えながら、診療をしなければいけないと勉強になりました。