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脳内で漢方薬をおもひみる

昨年話す予定だった漢方の勉強会での講演をツムラ製薬のMRさんに話す機会をいただきました。1年経って自分の漢方薬の処方経験をプラスして話しました。題名は万葉集の『梓弓弓を引きみゆるへみおもひみて』から『脳内で漢方薬をおもひみる』にしました。いわゆる、あれこれと思いめぐらして使用していますという意味です。漢方薬を理解するのに、気血水があります。気に関しては精神系の機序に当たりますし、血水は自律神経系の病態と理解できます。そうすると脳神経内科疾患では白字の機能性疾患が漢方薬が有効かと思われます。それぞれの疾患に症例を交えつつ話をしました。認知症領域においては食欲不振で人参養栄湯が有効だったり、BPDSにメマンチンを使用することも多いです。 いわゆる気に影響を与えるものと思われます。抑肝散は睡眠障害のレム睡眠行動障害でも使用することが多いです。 不眠症においてはいくつか漢方薬が示唆されますが、イライラ感のある不眠には抑肝散も効果があります。加味帰脾湯も有効な症例もありました。パーキンソン病でもよく出くわす便秘ですが、大建中湯が有効なア場合もあります。自律神経障害でもある起立性低血圧では補中益気湯が症例もありました。気虚に作用するのかなと思う節もあります。慢性硬膜下血腫に五苓散を使用しますが、 水滞に効果上がるのか?そうすれば、気象病という間あげ方があるように、気圧の変化による不調にも効果あるかと考えました。そこで、片頭痛に有効な五苓散を気圧変化で頭痛が起こる方に使用してみると意外に有効でした。このように、脳神経疾患でEBMによる西洋薬で不十分な場合にNBMの漢方薬で試用してみたことを話しました。一般的な漢方薬の講演と全く違う話でしたが、たくさんの質問をいただき勉強になりました。

講演後、全く趣向の違うフランス料理のAgoraで話も出来て有意義でした。