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神経疾患と睡眠障害(日本神経治療学会)
日本神経治療学会のメディカルスタッフレクチャーで『神経疾患と睡眠障害』を講演しました。座長の宮本雅之先生もWebで発表者二人ともWeb発表と面白みに欠けたかもしれません。今回は神経疾患の睡眠障害との関りになりましたが、ICD-10においても睡眠障害は神経系疾患のカテゴリーに分類されるものもあります。このことからもっと神経内科医が睡眠障害を診ないといけないと言えます。厚生労働省の患者調査でも睡眠障害が多いのが分かります。ここから多い神経疾患と睡眠障害との関りを話していきました。まず、一番多い脳卒中では睡眠時無呼吸症候群との関りが大きいです。無呼吸は発症にもその後のリハビリ等にも影響を与えるので、大切です。その他にも日中の眠気を起こすものはリハビリ効果を落としてしまうので、対応が大事です。最近、不眠症とアルツハイマー病の関連が示唆されています。睡眠でアミロイドβを排出する機構があるため、睡眠時間が短くなるとアルツハイマー病のリスクが上がります。しかし、安易な睡眠薬の使用は問題になることもあります。睡眠薬でもベンゾジアゼピンを避けるように高齢者の安全な薬物療法ガイドラインにも示されています。同じ認知症でもレビー小体型認知症やパーキンソン病、多系統萎縮症はレム睡眠行動障害から進展することが示されており、注意が必要です。RBDSQ-Jで5項目以上当てはまる場合、RBD1Qが当てはまる場合は注意です。最後に脳腫瘍、脳梗塞、脱髄性疾患等で視床下部に病変がある場合には二次性に過眠症を起こすこともあります。このように、神経疾患と睡眠障害に関わりが大きいことを話しました。メディカルスタッフの方は医師以上に患者さんに接することが多いと思いますので、気になる睡眠の問題がある場合には医師に報告してもらえればと思います。以上の講演内容です。Web講演で失礼しました。