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脳神経内科における漢方試用(米子漢方ネットワークセミナー中止)

2月29日(土)に発表する予定だった『脳神経内科における漢方試用』です。漢方薬を勉強しながら、使用しているので、試用としました。東洋医学と西洋医学は違いが多く、いきなり今まで診療してきた西洋医学から東洋医学に方向転換することはできません。カンフー映画に例えると、さすがにブルース・リーのようにいきなりマスターにはなれませんが、ジャッキー・チェーンのように少しずつマスターしていきましょう。漢方薬を使用するにあたって、西洋医学風に機序を考えてみました。漢方の考え方の気血水が精神系、自律神経系と合うのかもしれません。と考えると、脳神経内科疾患としては白字のものが合致するのかもしれません。ここから種々の病気への試用例を示す予定でした。認知症で出現する食欲不振に人参養栄湯が有効例、認知症のBPSDへの抑肝散有効例、抑肝散はレム睡眠行動障害や不眠症にも有効な症例がありました。不眠に加味帰脾湯が有効だった例もありました。パーキンソン病では便秘が自律神経症状として頻度が多いですが、便秘に大建中湯が有効例がありました。ふらつきの原因ともなる起立性調節障害に真武湯、補注益湯が有効だった症例もありました。慢性硬膜下血腫に五苓散が有効な例がありますが、頭痛においても有効かと使ったことがありましたが、以前いまいちでした。片頭痛のガイドラインでは漢方薬の有効性は出ていましたが、天候により頭痛が頻発することがあります。そのような場合に五苓散を追加したら、頭痛頻度が減る例が多数おられました。

このような感じで今までの西洋医学でうまくいかない場合、補助的に追加することで、漢方薬の試用を行っています。EBM重視の西洋医学に対して漢方薬はNBM重視として考えれば、いいのかもしれません。その意味では証も意識して、今後試用を考えていこうかと思っております。このような話をして、漢方薬に造詣の深い先生方に意見を聞こうかと思っておりました。そういう意味では会の中止は残念でした。結局、中国に端を発したコロナウィルスに負けてしまった感じです。