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レム睡眠行動障害について
レム睡眠には鮮やかな夢を見ますが、その夢内容を行動してしまうのが、レム睡眠行動障害(RBD)です。激しい夢を見ることが多く、殴る、蹴る、逃げるなどの行動で怪我をすることもあります。レム睡眠中は筋肉への入力する機序が働きます(atonia)。RBD病態生理としては脳幹の橋に存在する青斑核が障害されて、atoniaがうまく働かず筋肉が収縮し行動しています。あまり知られていない病気ですが、疫学研究より20人に1人おられることも分かっています。まずは、ビデオ終夜ポリグラフでレム睡眠の異常、夢内容の行動化を確認し、診断します。その上でクロナゼパムを始めとする治療薬を使用して行動化を抑えるようにします。RBDのもう一つの問題としては、パーキンソン病やレビー小体型認知症などの神経変性疾患への進展を示唆する報告がされています。パーキンソン病においては神経病理の研究よりパーキンソン病の運動症状が出現する前に青斑核が障害されるため、パーキンソン病の運動前症状の可能性として注意が必要です。神経変性疾患への進展のリスクは何があるのかと種々の検討を現在も行っていますが、最近の報告では嗅覚障害の可能性を指摘しています。しかし、今後さらなる検討が必要な上で対応も進めていかなければならない状況です。
夢内容の寝言や行動が気になる方は気軽にご相談してください。