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慢性頭痛について
神経内科で一番多い疾患で、当院でも13%の患者さんが頭痛です。
頭痛は有病率では40%という報告もあり、かなり多い病気です。その中にはくも膜下出血や脳腫瘍のように脳の病気で起こるものもあり、CT等で確認しておく必要があります。神経内科では原因がはっきりしないが繰り返す頭痛である慢性頭痛に対応することが多いです。具体的には国際頭痛分類の片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛が当たります。一般的には慢性頭痛を偏頭痛と言われることが多いですが、片頭痛は拍動性の頭痛で嘔気や悪心、光過敏、音過敏、体動で増悪する強い頭痛です。視覚前兆を伴うこともあり、血管の収縮後の拡張期に三叉神経を刺激し、拍動性の頭痛を引き起こします。三叉神経には自律神経線維が含まれているため、嘔気等も出現します。
群発頭痛は季節性があり、より自律神経症状が強く、強烈な頭痛を伴いますが、まれな疾患です。
一番多いのが緊張型頭痛で、身体的精神的ストレスで慢性的な筋肉の収縮より神経を圧迫して頭痛を引き起こします。いわゆる肩こり頭痛と説明したりしています。種々の原因で後頚部の筋緊張を誘発し、密に走行している筋肉を圧迫することにより非拍動性の締め付けるような感じの頭痛を起こします。自律神経症状はなく、体動での増悪もありません。
最近、増えているものが、薬物乱用頭痛です。片頭痛のトリプタン製剤の使用での誘発が一番多いのですが、頭痛薬ののみすぎで効果がなくなり、困るケースがあります。これを起こさないためにも頓服薬にたよらず、頭痛ごとに確定診断の上、予防加療や療養が必要となります。
頭痛は誰にも起こりうる頻度の高い病気ですが、命に関わることもあり、注意が必要です。適切な診断の上、治療、療養が必要ですので、気になる方は相談いただければと思います。