のむらニューロスリープクリニックのむらニューロスリープクリニック

お知らせNews

ビデオ終夜ポリグラフ(video Polysomonography: vPSG)

4月11日おしらせで書きました終夜ポリグラフ検査ですが、

終夜ポリグラフ

現在、火曜日、土曜日に検査技師さんが大学より来られるので、火曜日に予約検査としています。

この検査は夜間睡眠疾患の診断に有用です。しかし、夜間に夢を見て行動化してしまうレム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder: RBD)においてはビデオにて確認することも大事になります。大学病院での検査の時はビデオとPSGが連動していましたが、持ち運びが困難です。

そのために、PSGをして帰られるときに自宅へホームビデオを貸し出し撮影してもらっております。これで脳波解析を行うとともに睡眠時の行動も確認します。REM睡眠はREM (Rapid eys movement)つまり急速に目が動く睡眠段階です。体の筋肉は弛緩しますが、脳は活発になっております。そのため、夢を見ますが図1のように 脳波は速い波ですが、頤筋電図は弛緩しております。RBDの方はこのREM睡眠時に頤筋の筋力が亢進しています。これをREM sleep without atonia(RWA)といい、RBDの時に出てくる所見です。

RWAの段階で夢を見るとそのまま夢内容を行動化してしまいます。不思議と喧嘩したり、何かから逃げるような激しい夢が多いのも特徴です。ビデオで異常行動を確認してみると、REM睡眠中にはっきりとした寝言で話され、影にパンチする動作がありました。始めはうまく撮れるか心配でしたが、患者さんもうまく撮ってくれて見事な所見でした。患者さん本人も一緒にみてビックリされていました。これで診断の上治療を行います。

入院でなくてもちゃんと所見が撮れるし、入院中にはなかなか行動化をビデオに撮れなかったのに、慣れた家の環境のほうが有意な所見が撮れるのかな?

この病気はパーキンソン病やレビー小体型認知症への進展も考えられるので、注意です。

激しい夢をみて寝言や行動がある方は御相談いただければと思います。